fab / Make
2015年10月23日
LOFT & Fab Award 2015 入選作品が展示されています
まえまえから「パスタ1人分100gは多すぎる。でも一般のパスタメジャーは1人前100gだから、オリジナルの80gとか70gのパスタメジャーが欲しいよな。レーザーカッター使ったら簡単につくれるんじゃないかなー」と思っておりまして、そんな矢先にレーザーカッターの作品を応募できる「LOFT & Fab Award」というイベントを知ったのです。
昨年第1回を開催いたしました「LOFT & Fab Award」は「使う人が作る人」というコンセプトのもとに、
生活者自らが「デザインする・つくる」という選択肢を得る、という思いでスタートいたしました。
これは、急速に進化するデジタル加工技術を活用することにより可能となり、
一般の人たちがものづくり(デジタルファブリケーション)を体験できる時代を目指したものです。略
「暮らしに役立つ生活雑貨」をテーマに3種類のデジタル加工機によってつくり出される「雑貨」の、
デザインとアイデアと技術を競うアワードとして開催いたします。
企画書だけで応募でき、実際の製作は入選作品だけでよいということで、せっかくの機会だしと、イラストを書いて応募したところ、思いもかけず入選のお知らせが届きました。おお、これが当選の喜びか。人生でこれまで一度も呼ばれたことがない「作家さん」という言葉に安易に心が躍ります。
しかし、一つの難関が立ちはだかりました。
作品を作れる風に企画書は書いたけれども、わたし、レーザーカッターを一度も使ったことがないのですよ。
慌てて、レーザーカッターを貸していただける場所をいくつか探しました。意外と都内で素人が安価に自由にレーザーカッターを使える、オープンな場所(オープンの定義は難しいのでおいておきます)ってないんだな…。いろいろ探したのですが、とある方のお力添えで、とあるメーカースペースのレーザーカッターを貸していただけることになりました。使い方を教えていただいて、あとは機材を貸していただけるとのこと(初回は無料。2回目以降は会費が必要)。ありがたや。
レーザーカッターが見つかりましたので、次は素材探し。イメージではヒノキとか考えていたけど、ハンズを探した限り見つからず…。アガチスという木材を買いました。厚さもさっぱりわからないので、とりあえず0.5mmを買いました。すごいな、みんなこういう木材の素材、調達場所、仕上げ、大きさ、厚さなんてことを考えて作品をつくっているんだなぁ…。しみじみ。
さらに、自分で書いたイラストを、aiデータにするのにも一苦労。(はじめてのことなので…。)絵を現実にするのは、言うは易し、行うは難し。
しかし、デジタルデータによって木から物体が切り出されれて、絵に書いたモノが、現実の「モノ」にとして立ち上がる瞬間には、えもいわれぬ愉しさを感じました。
ちなみに作品はこういうものです。はじめの発想から若干盛っています。
やすくておいしいパスタ。毎日でも食べたいけれど、いちいち量を測るのは面倒ですよね。そこで便利なのが1人前のパスタが計量できるパスタメジャーです。ところが、ふつうのパスタメジャーは100gが1人前と決まっていて、以降2人前=200g、3人前=300g…、これでは少食な人にとっては必ずしも使いやすいものとは言えません。そこで、レーザーカッターの特性を生かした「家族のためのパスタメジャー」を企画しました。パパは120g、ママは80g、ぼくは60g…。子供が成長して、今のパスタの量で足りなくなったら、より多い量のパスタメジャーを作りましょう。誰の分のパスタかがわかる名前と、作った日付を入れれば、こどもの成長の記録にもなります。
かなりエアリーな家族感が漂う作品で恐縮ですが…。
他の作品がアイデアや見た目が素敵なものばかりだったのに対して、自分の作品が「自分の食べるパスタを適切な量で計量したい」というとことん実用的な作品であることに若干の心苦しさを感じている次第であります。
本日ドキドキしながら展示会場に行ってまいりました。とても素敵な会場で、「ええ、私の作品並べていただいていいのですか…!このマドラーとか、筆とかの方が、絶対にかっこいいし!??」と恐縮することしきりだったのですが、こじんまりとしたよい展示かと思いますし、同じフロアの雰囲気も非常に楽しかったので、この週末渋谷に足を運ばれる機会がある方は、是非ロフト6階まで上っていただいて、私の作品に投票するといいと思いますよ!(展示は11月3日までだそうです)。
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