文房具
2012年8月13日
100円文具のたのしみ
文房具が好きだ。無機質で機能的なところに、愛しさを感じずにはいられない。
ありとあらゆるノートの手触り、ダブルクリップの味気ないかわいらしさ、キッチュなゴム印、ハサミのユニークな形。
糊一つとっても、クラシックなでんぷんのりから、スティックタイプ、スプレータイプ、最近はテープ型なんてのものある、そのバラエティー。
ロングセラーの文房具は、長い歴史の中、いろいろな人の仕事によって磨かれて、育てられてきた。
文房具店に行けば、その機能美にうっとりして、1時間ぐらいは平気で時が過ぎてしまう。
どうやら私は相当文房具好きらしい、ということに最近気が付いた。
そんな私が先日小耳にはさんだ噂。「最近ダイソーの文具が面白いらしい」
それは是非入手しなければ!
お目当ての100円文具は「情報カード」と「ダイスキン」。
先日読んだ、松浦弥太郎さんの著書「松浦弥太郎の仕事術」で、「情報カード」という物の存在を知って、興味を持った。
5インチ×3インチのカードにいろいろな情報を記入して仕事を処理していくやり方が
なんともアナログで、デジタルな情報に翻弄されすぎている自分にいいのではないかと感じた。
その流れで、PoICという情報カード+GTDの手法について知ったり、
今更ながら梅棹忠夫さんの「知的生産の技術」を読んで盛り上がったりで、
試しに導入してみることに。
それから私はすっかり情報カードの虜だ。
何せ手で書くのが楽しい。 久しぶりに手を動かしている実感がある。
さくさくカードが書けるし、それがきっかけになって新しいアイデアが生まれる。
書いたカードを元に、知的「再生産」するところまでは到達していないんだけれども、
書き込んだカードの枚数が増えると、相当ネタが貯まっているのを感じて嬉しい。
ネタを貯金しているようだ。
難点と言えば、カードが100枚300円~400円とちとお高いところ。
1日10枚前後は書いているので、1か月で900円はかかる。
もっと楽に書くためには、 単価が低い方が嬉しいよな。
そこで、ダイソーである。情報カードを100円で売っているというのだ。
早速探して購入してみた。飯田橋店には、罫線つきのものと無地の物があったので、無地を購入。
右がLIFEのもの。100枚で300円前後。左がダイソーのもの。
紙質は、LIFEのものが、少し表面がつるつるしているのに対し、
ダイソーのものは、画用紙のようにざらざらしたひっかかりがある。
水彩絵の具で絵を書いたら、染みそうな。
書き味を比較してみた。
ダイソーは紙がざらざらしている分、ペンがひっかっかってしまって、少しかすれている。
とはいえ、100円という金額と比較すると、我慢できな程度ではない。
あまり書き味などは気にしないという方には、十分おすすめできる品質だ。
ただ、紙の腰が弱くて、カードだけで持ち歩いたら折れ曲がりそうなもろさがある。
これは気になる人には気になるかも。
しかし100円だもんなぁ…。
続いて通称「ダイスキン」。
ロングセラーとなった「モールスキン」のフェイク。
もちろん、この「ダイスキン」はファンが勝手にそう呼んでいるという通称。
左がダイスキン。右の赤いのがモールスキン。
左が100円。右が1800円。ほーら、どっちがどっちか、わからないでしょ~。
しかし、開いてみると、さすがに違いが分かります。
左がダイスキン。右がモールスキン。
モールスキンはサイズギリギリまで罫線が引かれているのに対し、ダイスキンは周辺に白い余白がある。
紙質は、モールスキンが少しクリーム色のコシのある紙であるのに対し、タイスキンはかなりぺなぺな。
あと、なぜかダイスキンは、罫線が少し手書き風というか、微妙に歪んでいる。そういうデザインなのだろう。
メモとして使う分には全然遜色は無いが、クオリティーの面ではやはり18倍の価格差なりと感じた。
しかし、細かいところは多々劣っていながらも、
「メモを取る」「下敷きがいらない」「A6サイズ」という機能的には遜色が無いものを 、
100円で作り上げてしまうダイソーの商品開発に対する姿勢は、本当にかっこいい!
ちなみにロディアのパチもんもあるということで探したところ…。
合皮のカバー付き。
見た目ロディアっぽい。
用紙の裏面までちゃんと罫線。
これは、もしや、ほんとのロディアよりいいんじゃないか…。
100円でこのクオリティー。
「お前らブランドの名前に胡坐かいて、価格下げる努力惜しむなよ!」と言わんばかりの商品開発の姿勢に、
ダイソーのロックさを感じずにはいられなかった。
ダイソー…社長の矢野さんはあんなに低姿勢なのに…。
うーん、ロックンロールすぎる。ますます好きになった。
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